豊島九段 55分間“史上最高の1分将棋”も力尽く「多分、チャンスを逃している」 王座戦挑戦者決定戦

[ 2023年8月5日 04:35 ]

第71期王座戦挑戦者決定戦に臨む藤井聡太王将(右)と豊島将之九段
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 藤井聡太王将(21)=竜王、名人、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が4日、大阪・関西将棋会館で第71期王座戦挑戦者決定戦(日本経済新聞社主催)に臨み、豊島将之九段(33)に159手で勝利した。藤井は史上初の全8冠独占へ、永瀬拓矢王座(30)への挑戦権を獲得。今月31日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」での第1局から開幕する5番勝負に出場する。

 昼食休憩後、豊島はネクタイをかなぐり捨てて対局室に戻ってきた。藤井戦では致命傷ともいうべき後手番となったが、自王を雁木で囲う作戦を披露。最終盤まで押しつ押されつの熱戦を展開し、ヒートアップする頭脳を冷却湿布で鎮める。なりふり構わぬ抵抗もしかし、最後は藤井の冷静な対応を前に力尽きた。「難しい将棋。多分、チャンスを逃しているのでは…いろいろありました」。終局直後は魂の抜けたような表情だ。

 敗れたとはいえ、かつて藤井キラーと呼ばれた鋭敏さは存分に見せつけた。相手の怒濤(どとう)の攻めを、徳俵に足をかけながら幾度となく押し返す。8冠制覇の野望を秘す第一人者の「最後の壁」にふさわしい棋譜を残した。「もうちょっとうまく指せる局面が多かったと思う」と反省を口にしたのは、次回の対戦を十分意識したものだ。55分間に及ぶ史上最高の1分将棋。無念の1敗はそれでも対藤井のお手本になりそうだ。

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