「VIVANT」で注目度上昇中の富栄ドラム 十両目前で敗れた夢…「人生を懸けて」千両役者目指す

[ 2023年8月5日 05:00 ]

ドラをたたく富栄ドラム(撮影・西海健太郎)
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 壮大なスケールの映像と豪華出演者で話題のTBS日曜劇場「VIVANT」(後9・00)で、阿部寛(59)演じる公安刑事の仲間・ドラムが注目を集めている。演じているのは元力士の富栄ドラム(31)。2021年に現役引退後、ユーチューバーに転身した人物。劇中では言葉を発さず、スマートフォンの音声機能を使って会話をする。役者として初のインタビューで口を開いた。

 冒険活劇さながらの物語で、ドラムは突入用の装甲車を準備し、相手の動きを偵察し、逃亡用のラクダを用意…。先月16日の第1話放送後、「ドラム有能!」「笑顔が可愛い」とSNS上で話題になった。「うれしいです。クランクイン前に鏡の前で笑顔を特訓したんです。“可愛い”というのは新鮮です」とはにかんだ。

 引退後に役者の仕事を開始。力士役以外は今作が初めてで、オーディションで福澤克雄監督にドラム役に抜てきされた。堺雅人(49)や阿部との共演シーンが多く「勉強になることが毎日ありすぎて幸せ。とにかく僕がNGを出さないようにしてカットにならないように」と笑った。

 中1で柔道を始め、転機は中3の時だった。神戸市の相撲大会に借り出された。「校長先生が寿司をおなかいっぱい食べさせてくれると言うので」。未経験ながら2位になり、会場で見ていた伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)にスカウトされた。「頑張っただけ成功できる世界。夢があると思った」と入門を決めた。

 「富栄」のしこ名で08年に15歳で初土俵。小兵力士ながら最高位は東幕下6枚目で、関取まであと一歩だった。「僕は本当に心技体で相撲を取る力士だった。勝ち越せば十両という場所前に、一番応援してくれていた姉が亡くなった。ショックが大きすぎて」。その後、ケガもあって引退。「好きなことを仕事にしよう」と、ユーチューバーや役者の道に進むことを決めた。

 元横綱・日馬富士(39)が関脇から引退するまで、付け人を務めた。心に残るのは「自分の人生は自分でしか切り開くことはできないよ」という言葉。それを今、体現している。「相撲では十両に上がれなかったけど、応援してくださった方に違う形で恩返しができたと思います。横綱に役者になったと伝えたら“凄いな”って。今はとにかく毎日が楽しい。人生を懸けて役者を頑張りたい」。屈託のない心からの笑みを浮かべた。

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