史上最大 囲碁83歳7カ月差対決 12歳・柳原咲輝初段、96歳杉内寿子八段に不戦勝

[ 2023年7月14日 04:45 ]

囲碁の女流名人戦予選に臨む柳原咲輝初段。対局する杉内寿子八段が体調不良で欠場し不戦勝となった=13日午前、東京都千代田区の日本棋院
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 囲碁の第35期女流名人戦予選、日本棋院所属の現役最年長・杉内寿子八段(96)と最年少の柳原咲輝初段(12)の対戦は13日、東京都千代田区の日本棋院で予定されていたが、杉内八段が欠場し、柳原初段の不戦勝となった。記録上は囲碁界史上最大の83歳7カ月差の対局として残るが、2人が盤を挟んでの対局は実現しなかった。

 この日午前10時の対局開始前に杉内八段の家族から「体調不良のため出場を見送る」と連絡。柳原初段は盤の前に1人ポツンと座り時間を待ち、規定により、午前11時に不戦勝が成立した。「対局するのを楽しみにしていたので本当に残念です。機会があれば戦ってみたいです」と語った。日本棋院の広報担当者は「体調不良の理由はご家族からは聞いていませんが、この暑さなどもあるのかもしれません」とした。

 囲碁界最年長の杉内八段は、現役生活80年を超える96歳4カ月。今年4月、十段戦予選Cで96歳1カ月の最年長勝利を挙げた。女流名人戦では91年の第3期から4連覇するなどタイトル10期獲得の実力者。妹の故本田幸子八段、楠光子八段(引退=83)とともに、3姉妹で活躍した。

 一方、柳原初段は今年4月1日付で棋士になったばかりの12歳9カ月。囲碁界では関西棋院所属の藤田怜央初段が10歳2カ月と最年少だが、柳原初段は日本棋院では最年少。今年1月にデビューし、プロ3戦目の5月に初勝利を挙げた。

 日本棋院によると、これまでの記録は2016年に打たれた第65期王座戦の予選対局での79歳4カ月差。杉内八段の夫、故杉内雅男九段(当時95)と15歳だった大西竜平七段(23)による対局だった。囲碁の現役続行には対局数や年齢などの規定はなく、自身が引退を決めるまで対局できるという。

 将棋界での最大年齢差対局は、加藤一二三・九段(83)と藤井聡太王将=名人、竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が16年に対戦した62歳6カ月差が最大だった。


 ≪年の差対決アラカルト≫

 ▼相撲 21年9月、当時51歳の華吹が16歳の朝勝令との35歳差対決を制した。

 ▼野球 13年8月、当時47歳の中日・山本昌と20歳の阪神・岩本輝が先発対決。27歳2カ月差は史上最大年齢差。共に4回で降板し、試合は中日が勝利した。

 ▼卓球 21年7月、東京五輪で当時58歳のルクセンブルク代表のニー・シャーリエンが17歳の韓国代表の申裕斌(シン・ユビン)と対決し、41歳差対決に敗れた。

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