自動車ライター桑野将二郎氏 ビッグモーターと損保会社の“1入庫5自賠責”関係に「グレーゾーン」

[ 2023年7月27日 13:19 ]

テレビ朝日
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 元中古車情報誌「カーセンサー」編集デスクで、現在は中古車販売店を経営している自動車ライターの桑野将二郎氏が27日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)に出演。中古車販売大手ビッグモーター(東京)の不正問題について言及した。

 ビッグモーターの保険金不正請求問題では、大手損害保険会社との「なれ合い」の構図も浮上。損保側は自動車事故に遭った保険契約者に、提携先のビッグモーターの修理工場を紹介し、その見返りとして自動車損害賠償責任(自賠責)保険契約を獲得できるプラス面があることが表面化している。大手損保は、過去にビッグモーターへ複数の社員を出向させていたことも判明。現段階で不正への関与は確認されていないが“持ちつ持たれつの関係”が、不正を生む土壌となっていた可能性も指摘されている。

 今回の問題では、ビッグモーターに出向者を出し、工場長による不正の指示と報告書が書き換えられた可能性を把握しながらビッグモーターへの事故車の紹介を再開していた損保ジャパンが、一連の対応を検証するため外部の弁護士による調査委員会の設置を決めている。

 番組では、ビッグモーターの関東エリアの元工場長の「損保会社とビッグモーターの関係というのはかなり深い。背景にあるのは自賠責保険と入庫紹介の関係」というコメントを放送。元工場長によると、損保会社がビッグモーターに修理車両を1台紹介すると、ビッグモーターは自賠責を5件を与える「1入庫5自賠責」という慣習があったという。ちなみにビッグモーターの経営計画書には「自賠責保険の取引実績に応じて修理が必要な車の紹介を強く要請する」とされている。

 桑野氏は、ビッグモーターと損保会社の関係について「ビッグモーターというのは非常に指定工場をたくさん有している販売店なんですけれども、指定工場というのはいわゆる国交省の出先機関として車検を行う場所なんですけれど、全国で2600カ所くらいの工場があり、ビッグモーターだけでも100いくつある。その中で不正が行われていたことになる」と説明したうえで、「保険に関して言うと、自動車の保険は自賠責保険という必須で入らないといけないものと任意保険というオプション的なものがあり、自賠責保険は今1台当たり1万7650円、24カ月となっているんですが、スケールは大きいので重なっていくと金額も大きくなる。そういうのもあって保険会社の側から見ると、重ねていくと大きい」と自賠責を巡る関係が大きいことを指摘。

 “1入庫5自賠責”については「これは大手の中古車販売店であったり、大手の自動車販売の会社と保険会社の間では、数というのはその会社ごとの契約で違うと思うんですけれども、1台事故修理の紹介があったのに対して自賠責何個契約してください、あるいは任意保険何人契約してくださいという、これ自体もグレーゾーンな感じもしますけれども、今までもあったのは事実だと思います」と話した。

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