堀内孝雄「チンペイ!ありがとう!」 谷村新司さんに鎮魂シャウト「あなたに恥じない歌を歌い続けたい」

[ 2023年10月18日 05:00 ]

13年、32年ぶり野外公演を開催した「アリス」堀内孝雄(左)と、谷村新司さん
Photo By スポニチ

 8日に74歳で亡くなった歌手の谷村新司さんの訃報が伝えられてから一夜明けた17日、フォークグループ「アリス」の盟友、堀内孝雄(73)が大阪市内でのコンサート後に取材に応じた。ハンカチで涙を抑えながら「一番良い兄貴で、かなわない人だった。僕は良い人に出会えたと思う」と感謝した。

 3月に急性腸炎の手術で入院した谷村さんは、復帰することなく旅立った。堀内は「回復を待ちましたね。しびれを切らして…いつ帰ってくるんだろうなと。(亡くなるなんて)夢にも思わなかった」。あふれる涙を拭った。

 最後に会ったのは3月9日のMBSラジオ「ヤングタウン金曜日」(関西ローカル)の収録。入院後に「何度も電話を握りしめた」が、一度も連絡は取らなかった。「嫌がるだろうと。(つらさを)見せない。それが谷村新司です。表向きは前向きで、笑顔を絶やさない人」と、周囲に心配をかけまいとした谷村さんを思いやった。

 出会いは大学時代。神戸の音楽サークルの先輩後輩で、谷村さんに「プロにならないか?ベーヤンとやりたいねん」とアリスに誘われた。1972年にデビューし「チャンピオン」などのヒット曲を連発した。

 ライバルで、一番の兄貴分だった。「ライバルなんてとんでもないけど、時としてライバルじゃなかったらこんなに友達になれなかった。チンペイさんはかなわない人、憧れの人でした」。谷村さんは中学時代にサングラスをかけた姿が評論家の野末陳平さんに似ていたため、チンペイの愛称で親しまれた。堀内はこの日のコンサートでも、「チンペイ!ありがとう!」と天を指して叫んだ。

 アリスは81年に活動停止し、それぞれソロの道へ進んだ。谷村さんは中国との交流など積極的に海外へ出た。対照的に堀内は日本の心を歌う演歌、歌謡曲で地位を築いた。それでも「故郷はアリス」という思いは同じ。2000年代に活動を再開させると、美しいハーモニーを響かせた。デビュー50周年を迎えた昨年は「10年計画」を発表。あと10年、一緒に歌うはずだった。

 15日の葬儀で、思いをしたためた手紙を棺の中の谷村さんの胸元に差し込み、手を合わせた。「いい顔をしていました」と振り返り「この先どれくらい歌えるか分からないけど、あなたに恥じない歌を歌い続けたいと思います」と天に誓った。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年10月18日のニュース