藤井王将「経験のない形だった」大逆転で全8冠独占へ王手!永瀬王座「終盤にかけ勝ちになっていた気が…」

[ 2023年9月27日 20:55 ]

<王座戦第3局>大盤解説で対局を振り返る藤井聡太7冠(撮影・椎名 航)
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 藤井聡太王将(21)=名人、竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が永瀬拓矢王座(30)に挑む第71期王座戦5番勝負第3局は27日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで行われ、先手の藤井王将が81手で勝利。シリーズ連勝で全8冠独占へ王手をかけた。敗れた永瀬王座は1勝2敗とし5連覇へ崖っ縁に立たされた。

 藤井王将が「経験のない形だった」と振り返った一局。「少し苦しい将棋になった。終盤ははっきり負けにしてしまったと思っていました。結果は幸いした」と持ち前の終盤力で勝利をつかみ取った。大偉業へあと1勝。「(8冠は)意識せず集中して指せればと思う」と次戦への思いを語った。

 一方の永瀬王座は「厳しい展開。終盤にかけて勝ちになっていた気がするんですけど…」とはっきりした口調で素直な感想を口に。王座のこの言葉がこの一局を物語っていた。1分将棋後の藤井王手に対して「対応がうまくできなかった」。後がなくなった第4局に向けて「少し時間もありますし、引き続き精いっぱい頑張りたい」と前を向いた。

 早くから前例の少ない局面となった第3局。先手藤井で始まり、戦型は雁木(がんぎ)になった天王山。飛先の歩、角道を自然に開けた藤井に対し、永瀬は角道に続いて4手目、角交換を拒んで4筋の歩を突いた。約10年前まで振り飛車党だった永瀬が、勝率的に不利な後手番でその採用を匂わせたが16手目、左金を3筋へ上がり居飛車を示した。直前の14手目では9筋の歩を5段目まで突き越し、主張点をつくった。

 夕食休憩前の局面は中盤のねじり合いになり、駒の損得はなし。ただ、永瀬が飛車角、駒台から放った香2枚が藤井陣を射貫き攻勢に出て中盤は優勢。藤井は終盤まで劣勢が続いたが驚異的な巻き返しを見せ、終盤力で押し切った。大逆転で連勝を飾り、全8タイトル制覇に王手をかけた。永瀬は1分将棋に入り、藤井の王手対応から形勢逆転を許した。

 史上初の8冠独占か、永瀬王座が意地を見せ2勝2敗のタイか――。5番勝負第4局は10月11日に京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で行われる。

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