藤井王将 王座戦第1局は黒星発進 大接戦で開幕、史上初全8冠独占か名誉王座か…歴史的シリーズ

[ 2023年8月31日 21:11 ]

永瀬拓矢王座(左)に挑む王座戦第1局が振り駒の結果、先手に決まり、初手を指す藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王将(21)=名人、竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が永瀬拓矢王座(30)に挑む第71期王座戦5番勝負第1局は31日午前9時、神奈川県秦野市「元湯陣屋」で指され、後手の永瀬王座が150手で勝利した。

 藤井に史上初の全8冠独占、永瀬には連続5期獲得による名誉王座が懸かる歴史的シリーズ。振り駒の結果、先手は藤井になり、戦型は角換わりへ進んだ。両者の対局では2月のA級順位戦で角換わりへ進み、永瀬が勝利したが当時の先手は永瀬。角換わりを得意とする先手藤井を相手に10手目、角交換へ踏み込んだ永瀬にも、何らかの準備が予想された。そして22手目、永瀬が居王を一つ左辺へ寄った。前例で王を移動させるなら2段目が多く、1段目はなかった。さらに右銀を腰掛け銀ではなく早繰り銀として活用した。

 藤井が四段時代から月2、3回ペースで練習将棋を指す間柄の両者。さらにタイトル戦での対戦は今回2回目で、初対戦だった昨年棋聖戦5番勝負では藤井が3勝1敗で防衛したが、その内容は「序盤戦術でうまく立ち回られた。研究会の将棋よりさらに工夫した、違った形を番勝負で採用してこられた」と30日の前日会見で藤井が語った接戦。作戦家・永瀬の準備が次第に姿を現した。

 比較的自然な駒組みを進めた藤井に対し、永瀬は32手目7筋の歩を突いて初めて駒がぶつかった。永瀬の準備は早繰り銀による急戦策だった。歩交換の後、今度は藤井が2筋、4筋と歩を突き捨てて、動きを見せた。午後0時10分、永瀬が58分長考したまま、昼食休憩に入った。

 午後5時からの夕休憩までには59手進んだ。局面は先手藤井の飛車角が永瀬陣を直射し、永瀬飛車の頭へ歩を打っての先手。永瀬は右銀を6段目まで進出させたが、藤井の若干有利と見られた。

 夕食に藤井はおにぎり2個(サケと昆布)、止め椀、パパイヤ、ほうじ茶(暖)、永瀬は昼食に続いて陣屋カレー(ビーフ&伊勢エビシーフード)、烏龍茶、抹茶を注文した。

 再開後、最終盤に入って1分将棋となる中でもギリギリの攻防が続く大接戦だった。

 ▼永瀬王座 まずは先勝することができてよかった。後手番でしたので、どうついていくかという将棋になったかと思う。自信ないかもしれないと思いながら指していました。そこまで大きく崩れなければよいなという感じです。(次戦へ)少し日にちがありますので、しっかり準備して挑みたい。

 ▼藤井王将 どうバランスとるか難しい将棋かなと思っていた。途中角を切って、と金を作りに行ったんですが詰んでみるとこちらの攻め駒が少なくて良い指し方ではなかったかなと。どうにか違う手があったかなという気がしています。早くも厳しい状況になってしまったと思うが、できる限り良い状態で対局に臨んで熱戦にできるように頑張りたいと思います。

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