乱歩のとりこ 結城モエ 映画初主演 20代最後に大役 主人公にも共感「引き込まれた」

[ 2023年8月16日 04:00 ]

映画「乱歩の幻影」で初主演の結城モエ
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 女優の結城モエ(29)が映画に初主演する。「乱歩の幻影」で、作家江戸川乱歩の知られざる秘密に迫るミステリー。乱歩の生誕130年に当たる来年の春に公開される。初主演に「率直に大変うれしく光栄」と大喜びで、20代最後の一年にステップアップした姿を見せる。

 原作はミステリーの大家・島田荘司氏の小説。島田氏自身が脚本を手がけ、ドラマ「特命係長 只野仁」シリーズなどを手がけた元テレビ朝日の演出家・秋山純氏がメガホンを取る。秋山氏は「透明感のある主人公を2年間探し求めた」といい、2年かけてたどりついたのが結城。父や祖父の影響で幼い頃から文学好きだった縁もあり、主演に抜てきされた。

 「僕は殺人快楽症になりたい」という、生前の乱歩が言った言葉をきっかけに展開するミステリー。結城が演じる弓子は、文学好きで乱歩の魅力に取りつかれた女性。乱歩が人を殺したという噂話の真相を調べていくうちに、乱歩の幻影に取りつかれていく。

 文学や古典に親しい結城。「劇中にも出てくる乱歩の『蟲(むし)』。とても狂気的なお話ではありますが、私は人間という生き物の持つ、紙一重の性質のリアルさに引き込まれ、主人公の弓子が抱く疑念にも、大変共感できました」と乱歩作品にも精通。まさにピッタリの起用だ。

 慶大法学部卒業後に女優業を開始。近年はドラマで活躍を見せており、21年のテレ朝「ドクターX~外科医・大門未知子~」にはドSの秘書役で出演。目鼻立ちの整った顔からか、悪女や気の強い女性役に起用されることが多い。今作では豊かな表情で弓子の感情を表現していく。

 「人間のリアルを描く乱歩、それに魅せられる弓子の揺れ動く気持ちを、真摯(しんし)に表現したい。文学を愛する皆さまに楽しんでいただければ幸いです」と力を込めた。

 ◇結城 モエ(ゆうき・もえ)1994年(平6)5月18日生まれ、福岡県出身の29歳。慶大法学部卒。14年のミス慶応コンテストでファイナリスト。17年に女優デビュー。今年1月期のTBS日曜劇場「Get Ready!」で院長の娘を演じた。ピアノが特技で、絶対音感の持ち主。趣味はワイン、戦争や音楽の歴史の勉強。1メートル65。

 《乱歩役は高橋克典》江戸川乱歩を演じるのは高橋克典(58)。秋山監督とは主演した「只野仁」シリーズで長年タッグを組んだ旧知の仲だ。「1人の文学好きの少女が江戸川乱歩の倒錯の世界に踏み込んでいく物語。乱歩の世界により深くはまりこんでいきたい気持ちにまとわりつかれる」と作品の印象を語った。1枚の写真からミステリーを呼び起こす謎の女性・芙蓉を常盤貴子(51)が、主人公の祖父を加藤雅也(60)が演じる。

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