もんたよしのりさん急死 72歳 大動脈解離で 「ダンシング・オールナイト」ハスキーボイスで人気

[ 2023年10月23日 04:00 ]

1981年、「第10回東京音楽祭世界大会」で熱唱する「もんた&ブラザーズ」のもんたよしのりさん
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 「ダンシング・オールナイト」の大ヒットで知られるロックバンド「もんた&ブラザーズ」のボーカルでシンガー・ソングライターもんたよしのり(本名門田頼命=かどた・よしのり)さんが18日、大動脈解離のため死去した。72歳。兵庫県出身。葬儀は親族のみで執り行った。後日、お別れの会を予定している。

 知人によると、長女で元歌手の門田こむぎさんは「前日(17日)まで元気だった」と話しているといい、突然の別れとなった。所属事務所は22日、もんたさんの公式ブログを通じて発表。「あんなに元気でいつもパワフルだったもんたが、天国へ向かうなんて、今もまだ信じられない気持ちでいっぱいです」とコメント。親族のみでの葬儀は本人の生前の希望だったとし「とても穏やかな顔で旅立ちました」と明らかにした。

 最大の特徴は高くしゃがれた独特のハスキーボイス。学生時代から洋楽ロックやR&Bを好み、意図的に声をからすことで作り上げた。1971年にソロ歌手としてデビュー。1メートル65の小柄な体格から発するエネルギッシュな歌声で「神戸のジェームス・ブラウン」と呼ばれたが、ヒット曲には恵まれなかった。77年に歌手の北島三郎(87)の事務所に所属。音楽の世界で生き残るため、78年ごろから2年間充電し作曲に専念した。

 転機は80年。「もんた&ブラザーズ」として再デビューした際、充電期間中に作った100曲を超す作品から「ダンシング・オールナイト」をデビュー曲に選んだ。発売前に地元に近い大阪などの有線放送で流したところ「あれを歌っているのは男性?女性?」といった問い合わせが相次ぐなどし人気に火が付いた。レコード店からの注文も殺到し、オリコンで10週連続1位を記録。TBS「ザ・ベストテン」でも6月26日から8月21日まで7週連続1位を獲得し、累計売り上げは200万枚で80年代最大のヒットとなった。この年の日本レコード大賞金賞、全日本有線放送大賞など数々の賞を総なめにし、NHK紅白歌合戦にも初出場した。

 81年の通算4作目「DESIRE」は約30万枚のヒット。大橋純子(73)とのデュエット曲「夏女ソニア」も話題になった。作詞作曲した「ギャランドゥ」を故西城秀樹さんに提供すると、西城さんの代表曲の一つになった。84年のバンド解散後、ミュージカルや映画などにも出演し俳優活動も行った。

 先月26日にはNHK音楽番組「うたコン」に生出演。「ダンシング・オールナイト」や「ギャランドゥ」を披露。変わらぬハスキーボイスで健在を示したばかりだった。それから1カ月足らず、あまりに突然の別れとなった。


 もんた よしのり 本名門田頼命(かどた・よしのり)。1951年(昭26)1月8日生まれ、兵庫県出身。71年、シングル「この足の鎖ひきちぎりたい」でソロ歌手デビュー。80年、もんた&ブラザーズを結成。作曲家、俳優としても活躍。82年に一般女性と結婚し、83年に長女が誕生した。

 ▽もんた&ブラザーズ 1980年、もんたさんと豊島修一(ギター)高橋誠(ギター)林政宏(キーボード)渡辺茂(ベース)ブレイシー・マーティン・キース(ドラム)で結成。84年解散。2007年に再結成した。

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