フジテレビ 旧ジャニーズ事務所問題検証 性加害の「ウワサは多くの社員が耳に」中には直接聞いた社員も

[ 2023年10月21日 15:19 ]

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 フジテレビは21日、「週刊フジテレビ批評 特別版 旧ジャニーズ事務所創業者による性加害問題と“メディアの沈黙”」(後2・00)と題して特別番組を放送。旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題を巡り、現役社員・元社員らへ社内調査に基づき検証した。

 同局では編成制作局、報道局、情報制作局に在籍したことがある77人の社員・元社員を対象に社内調査を実施。その結果を報じた。

 番組制作に携わる社員・元社員は「性被害の実態を聞いたことがなかったのか?」という問いに、社内調査で元編成幹部の1人は「ウワサとして聞いたことはあるが、具体的な内容は聞いたことは一度もなかった。今回、被害者の生々しい証言が公表されて、初めて“あのウワサ、本当だったんだ”というのが率直な感想」と証言。編成幹部の1人は「メディア業界にいた人は、個人差はあれど、それなりに認識していたと思う。この件を事務所の人たちの前で話題にしたこともありましたが、事務所の方からも深い言及はありませんでした」。

 また、情報制作局幹部の1人は「ジャニーズJr.出身の仕事仲間が飲み会で酔っ払った際に自分もジャニーさんから被害にあった話を笑い話にしていて、深刻な性被害とは受け止めることはできなかった。自分の認識の甘さ、仕事仲間への心のケアができなかったことを後悔している」と直接被害を聞いたことがあるとも証言したという。

 番組に出演した立松嗣章編成制作局長は「ジャニー氏にまつわるウワサは多くの社員が耳にしていました。しかし、それが深刻な性加害に当たる行為ということは想像ができませんでした。改めて人権の問題として私たちの認識が不足していたと反省をしています。番組の編成や制作という面でも、旧ジャニーズ事務所への対応を含めて、あらゆる人権尊重のための責任を果たしていきたいと考えております」と話した。

 また、性加害を疑惑の段階で放送することの難しさもあったという。元情報番組プロデューサーは「刑事事件になっていない性犯罪を取材・報道することは取材網を駆使してキャンペーン的にでも取り組まない限り、現実的ではないと思っていた。今でもそのハードルはかなり高いのではないかと感じているのも事実である」と証言。これに対し、番組に出演した大野貢情報制作局長は「自分自身も含めて組織全体として性加害に対する認識が著しく低かったと受け止めております。性被害の報道は慎重を期します。そのサインを決して見過ごすことがないよう、意識を高めてまいりたいと思います」とコメントした。

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