文化放送 ウクライナ出身女性を契約社員で採用 外国人の社員登用は同社初 Podcastスタート

[ 2023年6月20日 14:36 ]

文化放送に契約社員として入社したウクライナ出身のパーダルカ・オリハさん
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 文化放送の斉藤清人社長は20日、東京・浜松町の同局で定例会見を行い、ウクライナ出身のパーダルカ・オリハさん(23)を契約社員として採用したことを明かした。

 オリハさんはキーウ国立大学で日本語を学び、大学院を修了したのち、2021年10月、日本語・日本文化研究留学生として和歌山大学に入学。在学中の昨年8月、同社にインターンとして来社。研修・意見交換などのプログラムとして、ウクライナの独立記念日であり、ロシアによるウクライナ侵攻から半年という8月24日に「ニュースパレード」にもコメント出演。その後、留学を終え、ウクライナに帰国した後、採用を内定し、今年3月に再入国。4月からの研修期間を経て、6月1日から契約社員として入社した。

 斉藤社長はちょうど1年前に知人からオリハさんのことを紹介されたといい、「今年トルコで大きな地震が起きた。私に何ができるだろうか、義援金を送ること以外で何ができるのか。そうしたこともずっと考えている中でした」とし「文化放送にとって外国出身者の社員としての採用は先例がございません。初めてのことです」と説明。「ただ、先例がないということを理由に、オリハさんの採用をためらったり、もう少し先送りにしようとか、社員という形ではない形で活躍していただこうとか、そういうふうにしてはいけないのではないかという強い思いがあった」と採用に至った背景を語り「仕事でデスクを並べている仲間の1人の母国が今も軍事進攻を受けているのはとても悲しいことであります」と述べた。

 「オリハさんにはいろいろな発信を文化放送を通じて行っていただきます」とし、「我々メディアですから、大前提として善と悪、良いと悪いとメルクマールにして報道するということは控えなければらない。偏りなく伝えること、これには変わりない」と前置きし「ウクライナの今を知ってほしいというオリハさん、オリハさんの和歌山大学の卒業論文も拝見して、この6月をもって文化放送に迎え入れることを決断した。この日を迎えることができて、とてもうれしい」と語った。

 コミュニケーションデザイン部長の村田武之氏は「オリハさんには語学力、国際的視点、感性を生かした業務をしていただきたい。ウクライナの文化や歴史、流行、等身大の目線で発進していただきたいと思っている」と期待を寄せた。

 オリハさんは自身がパーソナリティーを務めるPodcast番組「オリハの今まで知らなかったウクライナ」(火曜後8・00頃、初回20日は後1・00)を担当。また「ニュースパレード」で発信した内容を英語で発信することも行っていくという。

 会見にはオリハさんも出席。オリハさんはキーウの南の小さな村出身だとし、両親は今現在も村に在住。姉はキーウで働いているとし、「今もキーウの地方はミサイル攻撃があります。特に、5月はキーウが毎晩、攻撃を受けたので、激しい爆発の音もよく聞いていた。毎晩やり取りはするが今も家族については不安です」としながらも「日本とウクライナの懸け橋になるという夢があるので頑張ります」と語った。

 興味のある分野については「国際政治に深い興味を持っている」とし「世界的なニュースはよく見ています。例えば、5月の広島サミットにはウクライナの大統領も誘っていただいて、ありがたい。とても興味深かったです」とした。

 すでに同社での仕事はスタートしているが、「実際に働いてみて、思ったより楽しいです。文化放送のチームはとても優しくて、一緒に働きやすいです。今取り組んでいるPodcastの収録は簡単ではありませんけど、楽しいです。日本の会社は遅刻したら許されない。でも、文化放送は自分のペースさせてくれる。とてもありがたいです」。

 今後について「Podcastの番組でいろいろなウクライナの文化とか歴史を伝えたい。ウクライナについて、いろいろなステレオタイプとか誤解されていることを説明したい。例えば、ウクライナは毎日、ボルシチした食べないとか」と笑顔。「これから文化放送で働きながら、一歩一歩成長して、ウクライナと日本の絆を強めていきたい」と意気込んだ。

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