「コブラ」漫画家・寺沢武一さん死去 68歳 華麗アメコミ風タッチ&セクシー美女描写に定評

[ 2023年9月12日 05:15 ]

コブラの新作アニメ制作発表会に臨む、原作者の寺沢武一さん(手前)、松崎しげる(後列右端)、ケンドーコバヤシ(後列左から2人目)ら(2008年6月24日撮影)
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 SF漫画「コブラ」などの作品で知られる漫画家の寺沢武一(てらさわ・ぶいち)さんが9月8日、心筋梗塞のため死去した。68歳。北海道出身。葬儀は家族のみで行う。

 11日夜、作品の公式SNSで「3度の脳腫瘍の手術を経ても、コブラその人のような生命力で生き抜いてきた寺沢武一でしたが、今回は不意打ちを食らってしまったのでしょう」などとファンに報告した。

 1998年に悪性の脳腫瘍が見つかり、手術を繰り返した。2度目の手術後には左半身にまひが表れ、車椅子生活に。それでも創作意欲は衰えず、2016年にはモナコでアニメのイベントに出席し、ファンに元気な姿を見せていた。20年にも「コブラ」の最新作を発表していた。

 浪人時代に投稿した漫画が入賞したことを機に漫画家を志した。76年に上京し、1年間手塚治虫のアシスタントを務めた。“漫画の神様”に深く傾倒。89年に亡くなった際は、寺沢さんも1年ほど執筆活動から離れた。

 代表作は78年から週刊少年ジャンプで連載された「コブラ」。左腕の「サイコガン」と葉巻、体に張り付くような赤い服、金髪がトレードマークの宇宙海賊コブラの物語だ。アメコミ風のタッチが特徴。おちゃらけとハードボイルドのバランスが絶妙で、女性キャラはリアルでグラマラスな体に水着のような衣装を着用するなど、大人の空気漂う物語は当時の少年を大いに刺激。アニメ版もヒットした。

 80年代初頭からパソコンでの創作に着手し、85年にはPCで彩色した「BLACK KNIGHT BAT」の連載を開始。92年には世界初フルCG漫画とされる「武 TAKERU」を開始。「デジタル漫画」の先駆けとしても知られる。

 98年にはフランス語版「コブラ」の公式サイトを開設するなど、いち早く世界を意識。各国のアニメイベントにも招待されるなど国境を越えて愛された。


 ≪映画「コブラ」の声 松崎しげる「残念」≫ 82年上映のアニメ映画「SPACE ADVENTURE コブラ」でコブラの声を担当した松崎しげる(73)は本紙に「残念です、、、。男のロマン、女性の色気、その全てがコブラに生かされていました」と悲しみのコメントを寄せた。「先生の生み出したスペースファンタジー『コブラ』、、、。こんなに憧れる主人公は今後二度と出てこないでしょう、、、。ご冥福をお祈り致します」と追悼した。

 同年放送のテレビ版「スペースコブラ」では、俳優の故野沢那智さんがコブラの声を担当。それぞれの魅力があると、どちらもファンに愛されている。

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