名取裕子「映画にかける情熱が80歳を超えても燃えている映画監督でした」中島貞夫さんを追悼

[ 2023年6月15日 15:24 ]

名取裕子
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 「木枯し紋次郎」などの時代劇、「日本の首領(ドン)」シリーズなどのヤクザ映画など数多くの作品を手がけた映画監督の中島貞夫さんが11日に死去したことが分かった。88歳。千葉県出身。葬儀は近親者で執り行われた。

 中島氏の訃報を受けて俳優の名取裕子(65)がコメントを発表。「中島貞夫監督は『序の舞』、『春日局』、と言った文学作品の中で男性社会の壁を破ろうとする芯の強い女性をフィルムに残してくださいました。博識でどんな質問にも澱みなくお答えくださり映画にかける情熱が80歳を超えても燃えている映画監督でした。監督と出会えたことに感謝いたします。天国でもあのキラキラした眼差しで皆を見守ってください。合掌」と思い出を振り返りながら、旅立った中島監督を偲んだ。

 中島氏は東京大卒後、東映に入社。「日本映画の父」と呼ばれた牧野省三の息子であるマキノ雅弘、今井正両監督らに師事し、64年に「くノ一忍法」で監督デビュー。66年には青春群像劇「893愚連隊」で、日本映画監督協会新人賞を受賞。東映のエースとして、菅原文太さん主演の「木枯し紋次郎」(72年)を監督した。

 深作欣二監督とともに、「極道の妻たち」シリーズなど実録ヤクザ映画路線を築いた。名タッグとなる松方弘樹さんの主演作品「脱獄広島殺人囚」「沖縄やくざ戦争」を数多く手がけ、「やくざ戦争 日本の首領(ドン)」などで高く評価された。

 2019年には、20年ぶりの新作「多十郎殉愛記」を公開するなど、晩年まで時代劇人気の復活にかける熱意を燃やし続けた。他の代表作に「真田幸村の謀略」「制覇」「序の舞」「瀬降り物語」など。

 後進の育成にも力を注いだ。87年から大阪芸大映像学科教授や学科長を務め、熊切和喜氏、山下敦弘氏、石井裕也氏ら監督を輩出した。また、京都映画祭の総合プロデューサー、京都国際映画祭の名誉実行委員長を務めた。

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