亡くなった中島監督、7月に神戸の小劇場出演予定だった 大下支配人ショックも「しのぶ会として開催を」

[ 2023年6月15日 16:43 ]

7月2日に予定されていた中島貞夫監督のイベント(神戸三宮シアター・エートーの公式サイトより)

 映画監督の中島貞夫さんが11日、肺炎のため京都市内の病院で亡くなった。88才だった。兵庫県神戸市内の小劇場「神戸三宮シアター・エートー」では、7月2日に中島監督の特集イベントを開催し、本人を招いてのトークショーを予定していた。

 企画タイトルは「大阪芸大つながりで中島貞夫監督の映画を見たいとお願いしてみたら実現してトークショーまでしちゃう祭」。

 第1部は中島監督がちゃんばらを考察するドキュメント映画「時代劇は死なず ちゃんばら美学考」(2015年)上映と、俳優・春田純一らによるアフタートーク。第3部は「多十郎殉愛記」(19年)上映。

 そして、第2部には今年1月に公開された中島監督のドキュメンタリー映画「遊撃/映画監督中島貞夫」上映と、終映後に同作監督の松原龍弥氏、脚本家の谷慶子氏とともに、中島監督も登壇し、アフタートークが行われる予定だった。

 支配人の大下順子氏は大阪芸大出身で、同大学の教授や映像学科長も務めた中島監督と大学関係者を通じて親交を深めた。新型コロナウイルスが5類に移行するなど落ち着いたところで、中島監督の特集をやりたいと企画。関係者を通じてやりとりし、本人の出演についても「“それを励みに頑張らないと”とおっしゃって、体調を整えておられると聞いていました」と大下氏は振り返った。

 年齢的にも体調次第ではリモート出演ということも視野に準備を進めていたという。そんな中、突然の訃報に大下氏やスタッフは「最近はお会いしていなかったですが、長く病気をされていたわけでもないので、驚きました。以前の笑顔の中島監督が浮かんで、今でも誰も受け止められない。みんな沈黙状態です」とショックを隠しきれない。

 中島監督本人の出演はかなわなくなった。だが、大下氏は「ご家族の意向が大事」とした上で、イベント開催への意欲を示した。「映画を好きな昭和の監督。海外ロケの話を少年のように無邪気に楽しく語られたことをよく覚えています」と回想。「イベントは、そんな監督の一面が分かるようなしのぶ会として、企画を進めていければ」と語った。

 大下氏はこの日、ツイッターで「在りし日のお姿を偲(しの)びつつ、心よりご冥福をお祈り申し上げげます」とつづった。

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