尾木ママ、教え子が亡くなった軽井沢スキーバス事故判決に思い「4人ものゼミ生の命を奪われた私の気持ち」

[ 2023年6月15日 13:14 ]

教育評論家の尾木直樹氏
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 “尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏(76)が、15日までに公式ブログを更新。2016年に大学生ら15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーバス事故で、運行会社社長らに実刑判決が言い渡されたことについて思いを記した。

 長野地裁は今月8日、業務上過失致死傷罪に問われた運行会社社長高橋美作被告(61)に禁錮3年、運行管理者だった荒井強被告(54)に禁錮4年の判決を言い渡した。両被告は公判で無罪を主張し、荒井被告は8日、判決を不服として控訴した。

 法政大で担当していたゼミの教え子4人を、この事故で亡くした尾木氏は、判決が出たことを受けてブログに「画期的な判決!命は取り戻せない!!」とコメントを発表。「一瞬にして15名もの命が奪われた凄惨なバス事故の裁判の結審に7年以上の年月を要したことは、ご遺族や重軽傷を負った学生の苦悩を思うと言葉を失う。業務上過失致死傷罪に問われているバス運行会社(ESP)の社長と運行管理責任者の責任は極めて重い。判決の禁錮3年(社長)・4年(運行管理責任者)は当然である」とし「これが4人ものゼミ生の命を奪われた指導教官である私の率直な気持ちである」と記した。

 続けて「大型バス運転に不慣れな運転手が事故を起こす可能性があると『予見できたか』どうかがこれまで最大の争点とされてきたが、全く争点がズレていた。大勢の命を預かる大型観光バス業界では、予見できなければ事故もやむなし、仕方ないなどと簡単に言えるはずがない。乗客の安全・安心に第一義的な責任を負っているのである。それが人の道、企業の社会的倫理・責任ではないだろうか」と厳しく指摘した。

 「ところが、今、国交省の運送力不足が懸念される『2024年問題』への対応一つを見ても、現在の高速道の最高速度を見直して解消してはどうかなどという実に乱暴で命を軽視した無責任な案まで浮上していると聞く」と、昨今の対応を嘆き「物流にしろ、ましてや人の輸送に関しては、初心の原点に返り安全・安心を最高の到達目標として掲げるべきではないか。さらに、安心・安全な交通政策の確立を急ぎ、企業の責任を問う法整備は不可欠である」と意見を記した。

 「こうした悲惨な事故を二度と起こさないためにも、人の命を最優先にした交通政策、社会の実現を目指していきたい」と呼びかけ「15人もの命を決して無にしてはなるまい」と切実に訴えた。

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