「どうする家康」松ケン収録前日に眠れず 俳優人生20年“初体験”正信VS家康ヤマ場 38歳誕生日OA

[ 2023年3月5日 20:45 ]

大河ドラマ「どうする家康」第9話。松平家康に切々と訴える本多正信(松山ケンイチ)(C)NHK
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 嵐の松本潤(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は5日、第9話が放送され、徳川家康3大危機に数えられる「三河一向一揆」編が完結。一向宗側に寝返った家康の家臣・本多正信は三河追放となった。主演を務めた2012年「平清盛」以来11年ぶりの大河凱旋を果たした俳優の松山ケンイチ(38)が正信役を好演し、ドラマ序盤を牽引。家康と対峙したクライマックスをシーンを振り返り「正信とリンクしたのかもしれませんが、その収録の前日、僕自身も全く寝られませんでした。20年近く俳優をやっている中で初めての経験でしたが、何かがあるのでしょうね」と告白。02年の俳優デビュー以来の“初体験”を明かした。絶大な存在感を示した“松ケン&正信回”のオンエアは偶然にも、自身の38歳の誕生日と重なった。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

 第9話は「守るべきもの」。松平家康(松本潤)は三河一向一揆を鎮圧。一向宗側の軍師だった本多正信(松山ケンイチ)と対峙した。

 弁明しない理由を問われると、正信は「過ちを犯したのは、殿だから。殿は、阿弥陀仏にすがる者たちの心をご存じない」「仏にすがるのは、現世が苦しからじゃ。生きているのがつらいからじゃ。殿が、おまえが、民を楽にしてやれるのなら、誰も仏にすがらずに済むんじゃ」「この大たわけが!悔いなければならぬのは、殿でござる」などと訴え。“裏切り”の理由が明かされた。

 正信の過去も描かれた。8年前、正信(弥八郎)は大久保忠世(小手伸也)と敢えて盗賊に悪さを促し、尾行して一網打尽に。そこで遊び女になっていた幼なじみ・お玉(井頭愛海)と再会。体の具合がよくないお玉を寺内町に連れ戻したが、お玉は阿弥陀仏にすがりながら息を引き取った。

 “守るべきもの”は民と家臣だった。家康は「とうに悔いておる」「だが、この国を立て直さねばならぬ。そのために、過ちをすべて引き受け、わしは前へ進む」と涙の決意。正信は切腹や打ち首も辞さないが、家康は「本多正信、この三河から追放とする。二度と戻ってくること相ならぬ」の処分に留めた。

 本證寺の住職・空誓(市川右團次)と和睦したものの、家康は寺を元通りにする気はない。悩む家康に、正信は「寺があった場所は元の元は野っ原なり。元の野っ原に戻~す、でいかがかな」。“最後の悪知恵”を授けた。

 松山は番組公式サイトのインタビューで「(正信が)『戦で何を守りたいのか』ということに関して、自分に正直になったということかと思います。その結果、裏切りにつながったのですが、そこに対して『悪い』という感情は一切ないんですよね」と正信の心情を述懐。「ただ、自分から大勢に対して挑んでいるわけなので、家康と対峙する場面については正信もきっと寝られなかったんじゃないかと思うんです。そんな正信とリンクしたのかもしれませんが、その収録の前日、僕自身も全く寝られませんでした。20年近く俳優をやっている中で初めての経験でしたが、何かがあるのでしょうね」と打ち明けた。

 史実としては、本多正信は出奔後に帰参。徳川家康の天下獲りに不可欠な男になる。

 「今作の正信は、ずっとつながれてきた『武士』という概念から少しはみ出てしまっているところがあり、武士の身分でありながらも、“今”の武士というものに対して思うところがある。だから徳川家臣団とも少し距離があるというか、違う目線で武士そのものを見ているようなキャラクターだと思います。そこに嫌われる要素や自由さがありますし、演技としても遊ぶことができるような立ち位置なので、そういう部分でも楽にやらせていただいています。正信は第9回でいったん抜けますが、最後まで是非見届けていただきたいなと思います」と呼び掛けた。

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