【玉ノ井親方の目】大の里は一番優勝に近い存在 上手にこだわらず決められるのが強み

[ 2024年5月17日 19:52 ]

<大相撲夏場所6日目>激しく攻め合う琴桜(左)と大の里(撮影・藤山 由理)
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 大の里は右を差すことができれば、自分の相撲が取れると、絶対の自信を持っているようだ。琴桜戦は胸から当たって、相手の上体を起こし、素早く右を差して、そのまま深くねじ込んだ。

 1メートル92、181キロの大の里の丸太のような太い腕をねじ込まれると、1メートル89、175キロの琴桜といえども、さすがに上体が浮いてしまう。左で上手を取ってはいたが、そのままグイグイと前に出てこられて、なすすべなく土俵を割った。

 大の里の強みは、上手にこだわらずに勝負を決められるところだ。右四つの力士であれば、右を差したら普通は左で上手を取りにいきたくなる。その方がより安全だからだ。しかし彼は右を差したら、それだけで十分。逆に組んで取る相撲をほとんど見たことがない。

 左で上手を取らなくても、おっつけることもできるし、半身のまま前に出てくるので、相手も的が小さくなって反撃がしづらくなる。

 今場所は体を密着させながら寄る上体の使い方も良い。先場所はそれが流れたりすることもあり、琴桜に敗れたが、その不安定さが修正されている。ここにきて豊昇龍も良くなってはいるが、大の里が優勝に一番近い存在といえるだろう。(元大関・栃東)

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