男女逆転「大奥2」はNHKの集大成 ついに最終回 サプライズ期待!?絶対に見逃せないポイント「3つ」

[ 2023年12月12日 11:01 ]

ドラマ10「大奥 Season2」第18話。「流水紋」姿の胤篤(福士蒼汰)に心打たれた徳川家定(愛希れいか)…蛍飛び交う中庭で愛を語り合う2人(C)NHK
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 “男女逆転の大奥”を描くNHKドラマ10「大奥 Season2」(火曜後10・00)は12日、15分拡大版でついに最終回(第21話、Season1から通算)を迎える。時代劇でありSF、それでいて深く共感できるヒューマンストーリー…。人気ある原作に優れた脚本、実力派俳優による熱演、そしてNHK時代劇の集大成ともいえる徳川幕府約260年を描く大作は、放送毎にSNS上で話題を集めた。最終回を前に、「Season1」と「原作」を踏まえ、注目すべき「3つのポイント」を紹介。果たして、どんな結末が待ち受けているのか。

 原作は漫画家・よしながふみ氏の同名人気作。3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを紡ぎ、センセーションを巻き起こした。

 過去計3度、ドラマ化&映画化されたが、今回は幕末・大政奉還まで初めて映像化。2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」も手掛ける森下佳子氏が、今年1~3月の「Season1」(全10話)に続いて脚本を担当。8代・吉宗の遺志を継ぐ若き蘭方医たちが謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」撲滅の道を切り拓く姿、開国・攘夷・大政奉還・江戸城無血開城という激動の時代を描く。

 「Season2」最終回、最大の注目ポイントは、何といっても「徳川幕府の終焉」。繰り返し映像化されてきた「大奥」だが、倒幕まで描かれるのは同作が初となる。

 原作漫画の全19巻で流れる月日は、実に244年間。これを一連のドラマとして映画化するのは、数多の時代劇を手掛けてきたNHKでも初の取り組みとなる。このドラマを企画した同局の岡本幸江プロデューサーも「うち(NHK)の全ての知恵、これまでの経験を結集して作っています」と胸を張る作品。原作では大政奉還後、岩倉使節団一行として6歳の津田梅子が初の女子留学生として渡米するシーンが描かれているが、ドラマの最終回ではどこまで描かれるか。244年の衣装や街並みの変化にも注目だ。

 ここで期待されるのが、脚本・森下氏による“サプライズ”展開。「Season1」では、時代劇に突如、現代の渋谷のスクランブル交差点を現代の服装で歩く8代将軍・徳川吉宗役の冨永愛の姿が挿入されるなど、ドラマオリジナルの脚本・演出が見られた。この演出によって、世継ぎの出産を強要された3代・家光(堀田真由)や5代・綱吉(仲里依紗)らが抱えた苦悩や課題を現代に投げかけたが、「Season2」のラストはいかに。

 2つ目のポイントは「大政奉還」。大東駿介演じる徳川慶喜は、公武合体の参預会議に参加するも島津久光らと対立し、会議を瓦解させてしまう。さらに15代将軍に就任するも、幕府の弱体化は止められない。ドラマでは大東の熱演が光り「慶喜がほんとに憎たらしい」という声が上がっている。「この国と江戸を守りたい」という亡き家茂の言葉は届かず、無念の展開…。“憎き”慶喜から、ラストはどんな奇怪な行動・発言が飛び出すのか。また、天璋院(福士蒼汰)や瀧山(古川雄大)ら周囲とどのように関わっていくのか。

 3つ目のポイントは「流水紋」。「Season1」で万里小路有功(福士蒼汰)が好んだ意匠として大奥に伝えられ、「Season2」では瀧山、天璋院が着用する。この「大奥」では、衣装に登場人物の思いを乗せており、特に「流水紋」は、1651年から1867年の倒幕まで実に216年を旅している。原作でもドラマでも、物語の節目に「流水紋」がある。時代は移ろえど、人の思いは変わらないのだということを、この「流水紋」がささやきかける。

 「流水紋」とともにあった「大奥」、「大奥」とともにあった「流水紋」。倒幕により完全に消えてしまう「大奥」だが…。瀧山と天璋院、2つの「流水紋」はどのような旅の終わりを迎えるのか。

 ジェンダー、権力、病など現代社会が直面する課題を大胆な世界観で鮮やかに描き、それでいて共感できるヒューマンドラマという“革命”を起こした同作。将軍一人一人、登場人物一人一人の人生に、その生涯に共感し、涙を流した視聴者がどれほどいただろう。長く儚い御鈴廊下の歩みと、NHK時代劇の“集大成”が今夜、幕を閉じる。

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