古市憲寿氏 宝塚歌劇団の会見に「結局、変わる気がないんだな」「芸能界もここまで変わってきた中…」

[ 2023年11月16日 18:41 ]

11月14日の会見では、木場理事長(中央)が、遺族側と対面していないことを明かしていた
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 社会学者の古市憲寿氏(38)が16日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の女性劇団員(25)が急死した問題で歌劇団が14日に宝塚市内で行った会見について言及した。

 外部調査チームによる報告書は、遺族側が訴えた上級生からのいじめやパワハラの存在を認めず、長時間労働を強いる環境があったと認めた。上級生からヘアアイロンでやけどをさせられたという遺族側の主張については、劇団診療所から「ヘアアイロンのやけどはよくあること」などと報告を受け、やけどをさせられたという客観的証拠もないため「事実であるかを判断することは困難」とした。「うそつき野郎」「やる気がない」などの暴言があったとされることにも「全て伝聞情報」としてパワハラの存在を否定した。ヒアリングは宙組生、OG、役員らに実施。66人いる宙組生のうち、4人は聞き取りを辞退。その理由は「差し控える」とした。兵庫県警は、女性が自殺した可能性が高いとみて捜査している。

 一方、遺族側は劇団側の調査結果について反論会見を開き、再検証を求めた。遺族の代理人弁護士は「失当(不当)であり、劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している」と断罪し、中でも、女性が上級生からへアアイロンを額に当てられやけどした問題について強く反論。ヒアリングに応じた女性の母親は、やけど当日の女性の額を「3センチも皮膚がめくれあがっている状態」と証言した。

 番組では、歌劇団に(1)外部調査チームを、完全に独立した第三者委員会にしなかった理由(2)ヒアリングを辞退した4人の団員についての見解(3)依頼した外部調査チームのメンバーが全員同じ弁護士事務所になっていることについての見解ーーを質問。歌劇団側は「第三者委員会と同等の機能を持っていると判断し外部調査チームに依頼した」という趣旨の回答をし、何をもって同等の機能なのか、独立性、中立性がどう担保されているのかの説明は不十分だった。4人のヒアリング辞退については「体調の優れない生徒にまで強いる必要はないと考えております」と回答したと伝えた。

 古市氏は、会見について「宝塚歌劇団は結局、変わる気がないんだなっていう開き直りに見えた。宝塚って今回の件に限らず、ファンの方はご存じの通り、いろんな問題がかねてからあったわけじゃないですか。労働環境の問題とか。自主的とはいえ稽古をして、公演を2公演くらい出て、寮に帰ってから下級生のことで上級生からダメ出しされたりとか、とにかく休みがなく寝る間がない中でめちゃくちゃ働いているのに、歌劇団からもらえる給料というのは凄く少なかったりとか」と指摘。

 そのうえで「現在社会からするとあり得ない、いびつな労働環境で働いている人がたくさんいたり、もしくは組ごとに変な慣習があったりだとか。あきらかに今の普通の会社だったらあり得ないようなことを歌劇団はやってきている」とし、「それが、ある種の芸能だから仕方がないっていう意見も昔だったら許されるのかも知れないけれども、さすがに芸能界もここまで変わってきた中で、宝塚歌劇団だけが昔のままでいいってことにはならないと思う。時代の変化に完全に取り残されようとしていて、そういう時に起こった事件で、こういう会見をしたということ、私たちは変わりませんって宣言、開き直りのように見えてしまって凄いがっかりしました」と自身の受け止めを話した。

 会見の翌15日、劇団から調査を請け負った法律事務所は取材に応じ、14日の会見に同席しなかった理由について「ご依頼を受けていませんので」とした。会見では「なぜ弁護士が同席していないのか」と質問が飛び、劇団の村上浩爾専務理事は「歌劇団から(調査を)委託をしたもので成果として報告を頂いた我々がしっかり説明することが適切」などと立ち会いは不要との考えを示していた。

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