挑戦続ける63歳・村田雄浩 娘への愛が原動力「仕事の幅を広げて、娘の成長を見守り続けたい」

[ 2023年8月18日 05:00 ]

ポーズを決める村田雄浩(撮影・大城 有生希)
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 【だから元気!】著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回はTBSドラマ「渡る世間は鬼ばかり」シリーズや多くのNHK大河ドラマなどへの出演で知られる俳優の村田雄浩さん(63)です。味のある演技を続けられる元気の源は愛娘の存在でした。(構成・山内 健司)

 私は結婚も子供ができたのも遅く、この年(63歳)で子供が中学生なんです。これがありがたくって。私の近い世代、例えば渡辺謙さんとかは孫がいますけど、その孫と私の子供が同じくらいの年齢なんです。おじいちゃんになると「育てる」よりも溺愛になっちゃいますよね。でも、私は運動会や文化祭もあるしこれから受験なんかもあって、必死に頭を回転させるわけですよ。

 もう連立方程式なんて分からなくて、ネットで調べたりなんかして一緒に勉強もしちゃって。年を重ねて、頭が回らなくなってくるとどうしようもないので、これは非常にありがたい。一緒に物事を学べるし、昔のことを思い出して記憶力低下の予防にもなる。ただ、これが恋愛になってくるとややこしいわけですよ。女の子なのでいろいろあって気持ちはぐちゃぐちゃになりますけど(笑い)。これまで父親役もたくさんやってきたけど、リアルは全然違いますね。楽しいですけど。娘が「今何がしたいのかな」とかをリアルに対処していくことは心身ともに活性化します。

 娘との関係を築く上で動物との触れ合いも欠かせません。「独眼竜政宗」(87年)で馬に乗る機会があって「炎立つ」(93年)で本格的に乗馬シーンを経験して以来、乗馬が趣味になったんです。乗馬は体を動かす意味でも良いですし。生後1カ月以内はアレルギー免疫がつくと聞いて、周囲の制止を振り切って生後間もない娘を抱きながら乗馬したこともあります。20年のコロナ下では行動自粛の時期と重なって娘と乗馬クラブで約2カ月間、寝泊まりしたんですよ。そこで娘と一緒に馬の世話をして、娘の乗馬がどんどん上達する姿を目の当たりにできて元気をもらえました。娘との信頼関係もより濃くなったし、いい思い出です。

 健康といえば、犬の散歩もあるかな。ここ数年、毎朝4時起きで妻と1時間ほどの日課にしてるんです。この時季なんかまだ暑くなりすぎない時に汗をかけて頭がスッキリして台本もスッと入るんですよ。程よい疲れで昼前に1~2時間ぐっすり睡眠も取れて心地よく仕事に向かえる。この散歩は一緒にやってくれる人の存在も大事。1人では「今日はまあ、いっか」になっちゃうけど、2人ならどちらともなく「ここまで続けたから」と行けるんですよ。娘も散歩に来てくれることもあるんですよ。

 娘が生まれた瞬間に「死ねないな」と思いましたよ。この年になるとやりたい芝居だけをやろうとしちゃうんだけど、それはダメだなって。どんな仕事もやろうと思って。例えば旅番組とかやると新しい発見が多くて、これまた良い刺激になる。「何歳まで」とは考えずに、家族のためにも仕事の幅を広げていって、何より娘の成長を見守り続けたいです。


 ◇村田 雄浩(むらた・たけひろ)1960年(昭35)3月18日生まれ、東京都出身の63歳。79年に映画「思えば遠くへ来たもんだ」で俳優デビュー。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍し、92年には映画「おこげ」で日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。06年に20歳年下の女優・村田映里佳(旧名中江里香)と結婚。1メートル80。


 ≪19日から全国ツアー ピン子と2人の朗読劇 女性含む5役演じ分け≫ 村田が泉ピン子(75)と2人で行う朗読劇「すぐ死ぬんだから」の全国ツアーがあす19日から埼玉・桶川市民ホールでスタートする。終活をテーマに、夫が倒れた後、思わぬ真実が明かされ、主人公の人生が変転する物語。村田は女性も含めて5役以上をこなすといい「見た人からは全部違って感じるって言われて“稽古は間違ってなかったな”と思えましたよ」と手応え。見どころを「周囲からさまざまな影響を受けるけど“最終的には自分だよね”と感じてもらえるような作品だと思います」とアピールした。

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