森村誠一さん 「人間の証明」小説、映画ヒット「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね?」流行語に

[ 2023年7月25日 05:05 ]

 「人間の証明」の場面写真(C)KADOKAWA1977
Photo By 提供写真

 「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね?」――。西条八十の詩「ぼくの帽子」の詩句が流行語になったのは1977年。森村さんの小説「人間の証明」と、同名映画の大ヒットがきっかけだった。殺人事件に秘められた母と子の悲しい詩情が、物質文明に翻弄(ほんろう)されていた時代の大衆の心に響いた。「人間の証明」は、生涯で400冊を超える著作を刊行した森村さんの代表作。角川春樹氏から「作家の証明書となるようなものを書いてください」と依頼され、その迫力と真情に応えた。

 ≪作品舞台の温泉“感謝” 群馬県安中市「金湯館」≫ 映画「人間の証明」の舞台となった群馬県安中市にある霧積温泉「金湯(きんとう)館」に60年以上勤務する佐藤みどりさん(86)は、森村さんの訃報を受け「残念です。もう一度くらい泊まりにいらしていただきたかった」と話した。森村さんは学生時代に同所に宿泊。その際、宿の弁当の包み紙に西条八十の詩「ぼくの帽子」の詩句が印刷されていたことが「人間の証明」を執筆するヒントとなった。出版後にも同所で映画関係者と打ち合わせをしたこともあったという。佐藤さんは「今の金湯館があるのは森村さんのおかげ」と感謝した。


 ▼岡田茉莉子(映画「人間の証明」で主演)残念です。「人間の証明」のモデルになったホテルのジムに毎日通っていて、森村さんのことを毎日思い出している。凄く人間的な方だった。久しく会っていなかったが、もう一度お会いしたかった。ご冥福をお祈りします。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年7月25日のニュース