テンダラー(2)白川悟実は漫才と音楽の二刀流!? リーダー務めるロックバンド あるぞ世界デビュー!!

[ 2024年5月13日 12:01 ]

結成30周年を記念した全国ツアーを行うテンダラー(左から白川悟実、浜本広晃)
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【テンダラーインタビュー(2)】

◆単独ライブやりまくったからこそ今がある◆

 ―30年という歴史の中で今から考えると転機だったということはありますか?

 浜本「どうでしょ?M―1も最初は、賞金1000万らしいで!えー!みたいな感じはあったけど、1年かけてM―1のためだけに、という感じではなかったし。ラストイヤーくらいかな」

 白川「うん、1年かけてネタつくった」

 浜本「ラストイヤーは準決勝でいった!と思って、最終決戦の2本目何しようかな?と考えてたくらい自信があったんですけど、結局あかんかって。そっからの5、6年は単独ライブをやり続けました。新ネタをつくり続けたんです。そのライブをしてなかったら、今はないかも」

 白川「ほんと。あの頃は吉本もほったらかしで、単独ライブ終わって舞台袖に引っ込んでもマネジャーもいなかった(笑い)」

 ―でも、単独を続けられるということはお客さんが入っているということでは?

 浜本「そうなんです。客席はウケてるし、チケットも売れてる。漫才師としてこれ以上頑張りようがない(笑い)。だから、しんどかったといえばしんどかったんですけどね」

 ―その頃にTHE MANZAIに出てビートたけしさんに評価されるんですね?

 浜本「その時の必殺仕事人のネタも、ライブやりまくっていた時に作ったんです。大会の後に吉本の社員から、営業とかでやってくださいよって言われて。6年前からアホほどやってるわ!コイツ、全然見てへんなと思いました(笑い)」

◆ロサンゼルス、バンコク、そして白川はドイツ!?◆

 ―今回、30周年を迎えて公演も盛りだくさんのようですね。ロサンゼルス公演もあるとか?

 浜本「20周年の時もやったんですけど、それが楽しすぎて。またやりたいよなーと言ってたんですが、ぼく、藤川球児くんと知り合いで、球児くんがメジャー行ったときの代理人の奥さんがぼくらのファンらしいんです。それを聞いて、実はLA公演をしたいんやけど、と伝えたらとんとん拍子に話が進んだ感じですね」

 ―持つべきものは友ですね(笑い)。

 浜本「ドジャースのチケットもとってくれるって言ってくれました(笑い)」

 ―うらやましい(笑い)。公演に来られるのは日本人の方が中心なんでしょうか?

 浜本「LA在住の人たちなので、なかなか生で見る機会はないと思うんで喜んでもらえたらうれしいですね」

 ―外国が長い日本人の方は感激なのでは?

 浜本「そうなんですよ。タイのバンコクでやった時はすごかったです」

 白川「凱旋みたいでした。待ってました!みたいな感じで」

 浜本「知らん間にタイでこんなに人気あったん?くらいでした」

 ―30周年を機に世界戦略を考えられるというのはどうでしょう?(笑い)

 浜本「まあ、白川はテンダラーでも、バンドでも海外に行こうとしてるんです。ご存じだと思うんですが」

 ―え?

 白川「おれがバンド組んでるの知らんて」

 浜本「いやいや、そんなことはない」

 白川「いや、知らんやん」

 ―えーっと、あの、すみません(笑い)。

 白川「ドイツ最大級の野外ライブがあるんです。まあ日本のサマソニみたいなイベントなんですが、それに出演するためのオーディションがあって、あと2回勝ち上がるとドイツに行けるんです」

 ―ええ!? すごいじゃないですか。

 浜本「そうなんです。この30周年の隙間にそんなことやってるんですわ」

 白川「いやいや、30周年の一環にしてくれや(笑い)」

 浜本「すごいでしょ?絶対行ってほしいじゃないですか」

 ―それは、えっと、ロックバンドですか?

 浜本「え?知らないんですか?」

 白川「全然知らんやんか」

 浜本「あえてやって、たぶん」

 ―すいません…。

 白川「ほら、知らんやんか」

 浜本「ジ・白川バンドと言って、メンバーはボーカルが吉本新喜劇の高井俊彦くん」

 ―高井さんですか。

 白川「いま、ボーカルちゃうの?って顔したで」

 浜本「ジ・白川バンドのドラムがこの人。ジ・白川って名前出してんのにまったく歌わへん」

 ―一番後ろなんですね。

 白川「薄暗いところで叩いてます」

 浜本「ギターとベースがよく行く飲み屋の常連」

 白川「友達です」

 ―けっこうライブはされてるんですか?

 白川「この前は京橋でやりました」

 浜本「ラウンジとかクラブ行ったら最後ホステスさんがおみやげくれますやん。そんな感じでライブ終わるとメンバーがおみやげくれるんです」

 白川「毎回何を渡すか考えるの大変で」

 浜本「そんなロックバンドいます!?」

 ―あまり聞かないですね(笑い)。

 白川「こないだは塗ると爪がきれいになるオイルをプレゼントしました」

 ―(笑い)

 白川「うわー、これうれしいわー、ありがとう!ってみんな喜んでくれました」

 ―でも、ドイツが目前なのはすごい。

 白川「あと2回勝ち抜かないといけないんですけど、次が11組中の1組なんでねえ」

 ―それ勝つと…。

 白川「全国大会です。それに勝ってやっとドイツですね」

 ―それはぜひ行ってほしいですねえ。

 白川「知らんかったやん(笑い)。まあ、30周年に勢いつけられたらええな、とは思ってます(笑い)」

 浜本「ドイツのフェスに出て、ドイツ人がいいねーとなって、日本に来て、NGKの単独ライブに来てくれたらなって思ってます」

 白川「来るか!そんなもん」=終わり

 【取材を終えて】たけしに絶賛された時、世間は「埋もれていた才能の発掘」という扱いだった。ただ、関西のお笑い好きにとってテンダラーがおもしろいのは自明の理。単独ライブは常に完売。舞台に立てば大ウケ。芸人仲間からもリスペクトされ、吉本興業も安心してほったらかし。浜本も「おれら埋もれてたの?」と苦笑いするほどだったが、それでもたけしには今も感謝している。

 はた目には何も問題ないように思えても「しんどかった」と漏らす浜本。高止まりながらも安定してしまった状態は、常に高みを目指す芸人としては複雑だった。それをブレークスルーしてくれたのが「あんちゃんたち、おもしろいね」という言葉。励みになるとともに、周囲の反応も変わった。30周年全国ツアーは東京公演はたけしの地元、浅草公会堂。ただまだ「招待できてないんです」と照れ笑いを浮かべていた。(江良 真)

 ◇「テンダラー結成30周年記念公演」…大阪6月28日(NGK)、広島8月24日(中国新聞ホール)、名古屋10月12日(中電ホール)、東京12月13日(浅草公会堂)、大阪ファイナル12月25日(NGK)。FANYチケットなどで発売。

 ◇エマージェンザ2024 「ジ・白川バンド」が参戦中の音楽トーナメント。7月13日、横浜で行われる日本決勝大会に勝てば8月9~11日にドイツで行われる「タウバタール野外フェス」世界大会に出場。ジ・白川バンドは6月23日、名古屋での地区決勝に出演する。

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