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「違いのあるデザイン」フォーラムエイトはデザインの本場、ミラノ・サローネで何を発信したのか?

[ 2024年5月14日 08:00 ]

ミラノの街の南側に位置するTortona(トルトーナ)エリアの中心的な展示会場であるSUPER STUDIOでフォーラムエイトの展示は毎年行なわれている。今年のSUPER STUDIOにはLEXUSが展示をしていたり、ファブリックメーカー、ヨーロッパ最大の水洗システムメーカーの展示など含めて20社ほどが趣向を凝らして展示をしていた。

フォーラムエイトは、1987年に設立。構造物設計をはじめ土木・建築設計を支援するソフトウェア・技術サービスを提供する会社として発展してきた。近年ではVR(仮想現実)の開発で、交通・自動車研究、情報システム全般をカバーするようになってきた。WRC(世界ラリー選手権)ラリージャパンのタイトルパートナーとしてご存知の方も多いだろう。

そのフォーラムエイトが出展したミラノ・サローネは、毎年4月に開催される世界最大規模の家具見本市だが、家具だけでなくインダストリアルデザイン、テキスタイルデザインの展示も行なわれている。本会場はミラノ郊外のフィエラ・ミラノ見本市会場だが、会期中はミラノの街全体が最先端デザインのステージとなり(フオーリサローネ、Fuori Salone)世界中からさまざまなデザイナーやアーティストがメッセージを発信し、またファッションブランド、自動車メーカーも出展。先端技術を駆使した実験的な試み、IT企業なども参加しブランディング、マーケティングの場としても有名だ。

初日のブースには、いわゆるZ世代と言われる若い世代(高校生も含む)が多く集まっていた。フォーラムエイトの提供するWeb VRプラットフォーム「メタバースF8VPS」でバーチャルオフィスや家具、インテリア・雑貨植栽などの配置シミュレーションなどを体感していた。

フォーラムエイトのブースのテーマは「Different Design:Think FORUM8」。ここでデジタルツイン活用によるデザインソリューションを提案した。また、ドライビングシミュレーターなど自動運転技術の紹介も行なった。開場時間を待てないように高校生と思われる若い男女がブースを訪れて一気に満員となる。彼らは真剣な眼差しで展示を見たり、シュミレーターの周りでは歓声も上がっていた。


「「違いのあるデザイン」フォーラムエイトはデザインの本場、ミラノ・サローネで何を発信したのか?」の1枚めの画像
モータースポーツの盛んなイタリアだけに、WRCのタイトルパートナーを務める企業というのは、多くの観客に響くよう。 ちなみにラリーイタリアは5/30~6/2に開催。ラリージャパンは11/21~24にシリーズ最終戦として開催される。

伊藤裕二フォーラムエイト社長Interview

左が伊藤裕二フォーラムエイト社長、右が難波 治(Car Styling編集長)

フォーラムエイトの伊藤裕二社長にミラノ・サローネ出展の意図を訊いた。
伊藤社長:フォーラムエイトの製品は国内、東アジアはかなり採用されています。今後は欧州、アメリカでもっと広く展開したい。デザインあるいはデザイン設計というキーワードで、一番大きなデザイン博覧会といえば、このミラノ・サローネです。

難波:フォーラムエイトといえば、土木・建築設計を支援するソフトウェアで定評があります。
伊藤社長:最近ではWeb3やブロックチェーン関連のサービスを開発して提供し始めました。日本国内でも我々のユーザーさんに使われるサービスとして展開しています。

難波:WRCラリージャパンのタイトルパートナーですね?
伊藤社長:元々は我々のソフトは、道路や橋梁設計に使われています。それがここ十数年、モビリティそのもの、自動車産業で随分使っていただくようになりました。そういうこともあって、WRCラリージャパンの開催を知ったので、タイトルスポンサーに名乗りを上げさせていただきました。

難波:VR(仮想現実)は自動車メーカーも、よく使っています。
伊藤社長:自動車も新しいモビリティも全部、シミュレーションとVRで試験環境、研究環境を作ってから、実際のモデル開発に入ります。研究施設、大学関係の大型ドライビング・シミュレーターはフォーラムエイトのものをよく使っていただいています。我々は昨年のラリー・ジャパンの豊田スタジアムで行なわれたスーパーSSをバーチャルで再現しました。今年は、実際にドライブしているところをリアルタイムで再現する。つまりレースを仮想空間でどこからでも見えるようにすることに取り組んでいます。

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2024年5月14日のニュース