「宇治のゴジラ」京都翔英・小笠原が心待ちにする「10・26」 6日遅れの誕生日祝いは、はたして

[ 2023年10月23日 20:10 ]

バットを手に微笑む京都翔英・小笠原蒼(撮影・後藤 大輝)
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 ずっと気になっていた。スキンヘッドで本塁打を量産した京都翔英の小笠原蒼内野手(3年)。夏の京都府大会決勝戦でも、高校通算29発目となる鮮やかなアーチをかけた。得点機では敬遠策で一塁に歩き、涙をのんだ。試合終了の瞬間は泣き崩れるチームメイトを優しく抱きかかえる姿が印象的だった。強くて優しいドラフト候補の今が知りたくて京都・宇治の練習場まで足を伸ばしてみた。 動画はこちらから

 涙をのんだ決勝戦から約3カ月、だいぶ伸びた頭髪に拍子抜けだ。京都、スキンヘッドと言うだけで僧兵や北面の武士を想像するわけでもないのだが、相当にマイルドな印象だ。「試合の前は五厘刈りをした後でT字のカミソリで更にそり上げるので…自分的には爽やかな印象だったのですが」。人懐っこい笑顔でハキハキと話す姿はどこにでもいる高校生だ。

 出身は愛知。中学生の時に大阪桐蔭の春夏連覇を目撃し「大阪桐蔭を倒すという目標を掲げて近畿の高校へ」と京都翔英への進学を決意した。公式戦での対戦は叶わなかったが練習試合では黒星をつける事に成功した。「前田(悠伍)君が投げていたら試合展開は変わっていた」と語るように同学年の「絶対エース」との対決は一つ上のステージへお預けだ。

 現在は下級生と一緒に全体練習に身を投じている。メニューになかったフリー打撃では木製バットを手に「いくらでも打ちます」とフルスイングを披露。納得いかないスイングに「すみません、使えるところなかったですよね、ロングティー今からやります」と貪欲だった。その続きは一つ上のステージで撮ることにしたい。

 「誕生日が10月20日なんですよね、ドラフトの日は試験なんです」。お馴染みのアナウンスが6日遅れのバースデーソングになれば良い。

「小笠原蒼、18歳、内野手、京都翔英高校」──。
  (長嶋 久樹)

 ◇小笠原 蒼(おがさわら・そう)2005年(平17)10月20日生まれ、愛知県豊田市出身の18歳。小学1年から山之手野球クラブで野球を始め、竜神中時代は愛知港ボーイズに所属。京都翔英(京都)では1年生の秋から背番号13でベンチ入り。2年生の夏には背番号3で4番一塁。50メートル走6秒8、遠投110メートル、1メートル80、96キロ。右投左打。 

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