【NHKマイルC】史上初!! 2歳牡牝のJRA賞受賞馬対決

[ 2024年5月3日 05:15 ]

アスコリピチェーノ<撮影・平松さとし>
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 【競馬人生劇場・平松さとし】競馬の世界は時に一般社会よりも時の流れが早く感じることがある。さまざまな点で思い当たる節があるが、例えばレースの傾向等もそう。

 先週、行われた天皇賞・春(G1)も傾向の変わったレースだ。ミホシンザンやスーパークリーク、メジロマックイーンやライスシャワーなどが勝った時代は「他のG1を勝っていないと勝てないレース」等と言われたが、その後、流れが変わった。イングランディーレやマイネルキッツ、ジャガーメイルにビートブラック等、これが初G1、中には初重賞制覇という馬も出てくるようになった。昨年のジャスティンパレスや今年のテーオーロイヤルもまた、これが初G1勝利だった。

 そういう意味では今週末のNHKマイルC(G1)も時代の影響を大きく受けてきたレースだ。

 私が競馬を見始めた頃はNHK杯という芝2000メートルのレースで、日本ダービー(G1)の前哨戦だった。皐月賞(G1)とダービーの間に、NHK杯も走るという馬も普通にいた。ハイセイコーもそうだった。

 それが、ダービーには出走資格のない外国産馬を救済する意味も含め、1996年に距離をマイルに短縮し、装いも新たにG1に昇格して第1回が行われたのがNHKマイルCだった。

 第1回から6回までは連続で外国産馬が優勝し、目的通りの競走となった。しかし、外国産馬にもダービーが開放されると、傾向は一変した。当初はNHK杯の名残か、ここを使ってダービーにも挑む馬も散見されたが、最近はすっかり別路線。昔のようにスプリンターだろうが猫だろうが杓子(しゃくし)だろうがダービーへ向かった時代は去り、各馬に合った距離路線を歩ませるのが普通になり、ダービーとはすっかりすみ分けされたレースになった。

 今年は史上初めて2歳の牡牝のJRA賞受賞馬、すなわちジャンタルマンタル(栗東・高野友和厩舎)とアスコリピチェーノ(美浦・黒岩陽一厩舎)が出走する。文字通り雌雄を決する一戦になるのか、はたまた新たなチャンピオンが生まれるのか。マイルの頂上決戦としてすっかり定着したNHKマイルCに注目したい。(フリーライター)

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