ガッツ石松 米倉さん追悼 最後に会った時も笑顔で「あの愛嬌があったから猛者ぞろいの世界で渡り合えた」
プロボクシングで世界王者5人を育てた元ヨネクラジム会長の米倉健司(よねくら・けんじ=本名健治=けんじ)氏が20日、死去した。88歳だった。弟子の大橋秀行・大橋ジム会長(58)が21日に明らかにした。葬儀は家族葬で執り行われる。1956年メルボルン五輪代表で、プロでは日本フライ級、東洋バンタム級王座を獲得。高齢を理由に17年8月にジムを閉鎖するまで会長を54年務めた。元WBC世界ライト級王者ガッツ石松が、師匠の米倉さんを悼んだ。
ヨネクラジムが閉鎖された後、米倉さんの世話は医師になった息子の丈司さんがしていると聞いていた。米倉さんはジム経営が忙しいのに、一人息子の丈司さんの面倒をよく見ていてね。丈司さんも恩返しのつもりだったんじゃないかな。
米倉さんは営業が上手なマネジャーで、優秀なマッチメーカーだった。マッチメークを周りの人に任せず、全部自分でやっていた。選手と直接コミュニケーションを取って「次はここで試合をするか?」「次の相手はこの選手でどうだ?」と聞いてくれるので、こっちも希望を伝えやすかった。お金を稼ぎたい時は試合をどんどん組んでくれたし、逆に無理な試合はさせなかった。自分は友人の家に近いという理由でたまたま入門したけど、ヨネクラジムでなければ世界王者にはなっていなかったと思う。
最後にお会いしたのは閉鎖する直前のジムで撮影があった時。ニコニコ笑っていたね。あの愛嬌(あいきょう)があったからこそ、猛者ぞろいの世界で渡り合えたんじゃないかな。ボクシングジムの会長としてはやり残したことはなく、悔いのない人生だったと思う。(元WBC世界ライト級王者、談)
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